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【最終回】寒天料理は"失敗しない"

ふみこおばあちゃんいわく、寒天料理は"失敗しない"料理。知識や経験がなくても大丈夫!寒天液を固めるには気候やその時の室温などの条件にあわせ、最適な濃度や液温などの微調整が必要なのだそうです。同じレシピを作るにも季節・条件によって事細かに工夫をしなくてはならないなどと聞くと、途端に及び腰になってしまいますが、今回は失敗しない秘訣のお話。

その方法は本当に簡単。鍋で煮ている寒天液の少量を器に取って固めてみれば、その寒天液が成功か失敗かすぐに分かる、これが"試し固め"です。硬すぎるなと感じた場合は水分を足してひと煮立ち、柔らかすぎるなと感じたらじっくりと煮詰めていけばいいだけ。寒天料理は仕上ってみると薄味に感じることが多いので、この一手間で、いざ全量を流してみてから固まらなかった、味付け失敗だった、ということが避けられます。お好みの味よりも少し濃くしておくことがポイントだそうです。でも、試し固めをしているうちに本番用の寒天液まで鍋のなかで固まってしまっては元も子もありません。そこで、すばやく試し固めをしてみるには氷水が大活躍。小分けした寒天液を氷水を張ったボウルに浸けるとすぐに固まりはじめます。おばあちゃんのお若い頃には茅野市にもまだたくさんの雪が積もっていたので、流し箱ごと雪の中に埋めて固めていたそうです。温暖化が進む現在ではこうはいきませんね。
kani.jpg寒天選びも重要です。質のいい寒天を選ぶことはもちろんですが、形状も大いに関係してきます。角寒天、粉寒天に糸寒天。市販されている寒天にもいろいろと種類がありますが、おばあちゃんの寒天料理におすすめなのは角寒天。角寒天は水に溶けにくく、粉寒天に比べると時間がかかります。このことから粉寒天のほうが楽だと考えがちです。しかし、水分と混じり合いやすい性質をもっている角寒天のほうがいったん煮溶かしてしまえば、均一で固めやすい寒天液を作ることが出来るのです。
もうひとつ、寒天液は必ず一度沸騰させて煮詰めます。5~10分程度の時間をかけ、蒸発しすぎないように気をつけ充分に煮溶かします。それに、混ぜ合わせたい液体も必ず温め、その液の中へ寒天液を少量ずつ注ぎのばしていくイメージで手早く混ぜていくと失敗が少ないようです。この手順に加え、両方の温度をなるべく近づけておくことで分離したり混ざりきらないといったトラブルの大半を避けられます。酸味の強い果汁やジャムなどは特に分離しやすいので、酸味のある液と寒天液は必ず別々に調整し、両方の温度を80度以下にしてから混ぜ合わせます。

pine.jpg試し固め、均一な寒天液作り、温度に気を配る。たったこれだけで失敗せずに作れる寒天料理。この1年でご紹介した寒天料理は、おばあちゃんが安く、おいしく、皆に楽しんでほしいと考案してきたレシピのほんの一部です。同じ具材を使っても、だし汁に鰹節を用いれば和風、コンソメなら洋風、中華だしなら中華風と、多彩な変化を楽しめるのが寒天料理です。様々な型を用い自由に成型できるのも魅力。皆さんもおばあちゃんの寒天料理をヒントに、いろいろなレシピに気軽に挑戦してみてください。 


kanten_prof.jpgのサムネール画像森二三子さん
「寒天にはちょっとうるさいよ」
生まれも育ちも茅野市本町の
地元っ子おばあちゃん。
茅野市の小学校やお料理教室で講師もしています。

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