1. HOME
  2. 霧ヶ峰基金
  3. 霧ヶ峰基金 vol.3

霧ヶ峰基金 vol.3

紅葉の、大人の楽しみかた
p3_01.jpg
秋の紅葉...。赤、黄、オレンジ、赤紫、茶褐色、ピンク。夏に咲く色とりどりの花々だけに夢中になっていた若い頃には気付かなかった紅葉の色あざやかさ。その色の深さは、夏の花のそれ以上かもしれない。

植物は実を結び、種子を散布した後、冬の厳しい寒さや乾燥から身を守るため、葉を落とす。紅葉は、葉に残っている葉緑素(クロロフィル)を窒素やカリウムなどに分解、根や冬芽に転流し休眠状態に入っていく時におこる現象だ。厳しい冬を乗り切り、また春に芽吹くための植物の偉大な知恵。

赤く色づく紅葉。黄色に色づく黄葉。どちらも「こうよう」と読む。針葉樹ならばカラマツの黄金色、落葉樹ならばミズナラやカエデ類の紅葉、そして忘れてならない「草紅葉(もみじ)」草原では、ヤナギランやハクサンフウロなどのフウロソウの仲間、タカトウダイなどの野草が葉をあざやかに染め、秋の草原を彩る。

p3_02.jpg

ただ見るのはもったいない。私のおススメはスケッチ。絵はがき風でもかまわない。自分の気に入った落ち葉を拾い、よく観て、できるだけ本物の色に近づくように色を重ねてゆく。赤とひとことでいっても、同じ赤はひとつもない。この「紅葉おえかきプログラム」をやると、どんな落ち葉をどんな風に描くかで、その人の個性が垣間見えてとてもおもしろい。そして、あらためて日本の色彩の豊かさ、色の文化にふれることができる。
これこそ大人の贅沢な時間。

文 三井健一

<<前の記事次の記事>>