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カラマツは使えない?

karamatsu01.jpg蓼科をドライブすると車窓から見える森のほとんどはカラマツ林である。新緑の時期はとても美しい。カラマツはマツ科のなかで唯一紅葉し落葉することから落葉松という漢字をあてることも多い。長野県林業統計(平成16年度版)によると、長野県は北海道、岩手に次ぐ全国第三位の森林県で県土の78%(105万 5千ha)が森林であり、そのうち人工林面積(民有林32万8千ha)に占めるカラマツ林の割合は52%(17万1千ha)と長野県でもっとも植林されている(された)樹種である。
私が信州大学農学部森林科学科在籍中にカラマツについて得た知識は「昭和40年代の拡大造林期に、寒い信州でもすくすくと生長するということで大量に植えられた。ヤニが多いので水に強く、当時は土木用の杭や建設現場の足場などに使われていたが、鉄パイプなどの代用品に取って代わられ、しかも用材としてはヤニのせいでねじれ(くるい)が生じるので使えず、外国からの木材にも押され現在は枝打ちや間伐などの手入れもままならない。」という悲観的なものだった。手入れをしないとどうなるか。昨年7月の岡谷市豪雨災害では手入れがされず根張りがないカラマツ林が崩れたのも原因のひとつといわれている。密植され、その後間伐がなされないカラマツ林は上へは伸びるが、横には伸びず根張りも弱い。昭和40年代に一斉に植林され30年生~40年生のカラマツが多い長野県では、こうした災害の原因となりうる「そうめん立ちカラマツ林」の間伐に補助金などを出し、積極的に手入れを行っている。
karamatsu02.jpgまた、その際に出た間伐材をペレットストーブや薪ストーブの燃料として有効に使うという取り組みもはじまっている(私のいる御射山VCでも)。二酸化炭素排出量も灯油の4分の1で、そのほとんどを森林が吸収してくれるという「地球温暖化防止」の強い味方でもある。また化石燃料に比べて経済的である。エコロジーでエコノミー。みなさんのまわりのカラマツ林が輝いてみえてきませんか?

写真&文 三井健一

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