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ヤマガラ

夏が終ると、子育てを終えた夏鳥たちは徐々に虫を追って南へと移動を始め、10月下旬頃に北方から冬鳥たちが到着するまでの間、森はしばらく静かになります。
今回は留鳥として、通年、蓼科周辺で見る事の出来るヤマガラを御紹介します。通常、種の表記にはカタカナが使われますが、漢字では山雀と書きます。
この鳥は身近な野鳥たち、シジュウカラやコガラ、ヒガラなどと同じ、「カラ類」に分類されます。分布は台湾から朝鮮半島、及び日本列島とされ、どうやら他のカラ類よりも分布範囲は狭く、シベリアや中国方面では見られないようです。
また、日本列島でも北海道では多くなく、どちらかと言うと暖かい地域に多いようです。私の見る限り、蓼科で見られる割合は、シジュウカラ8、コガラ3、 ヒガラ3、ヤマガラ2、ゴジュウカラ2くらいですので、温暖な地域と比べるとやはり若干少ないイメージでしょうか。
日本全国、広範に見られる事から、バーダー(バードウォッチャーのアメリカ語) からは、よくカラ類と一括りにされてしまう事が多いのですが、カラ類でも姿も習性もそれぞれ異なります。特にヤマガラは独自の配色が特徴的です。
昔から「ヤマガラのおみくじ引き」などは有名で、人を恐れず芸を覚える鳥として親しまれて来たようです。一方、シジュウカラは比較的人のそばで生活している割には人への警戒心が強いので、なぜヤマガラが人に慣れるのか、というのは良くわかりません。歴史の中であまり人と敵対する事はなかったのだろう、という事は想像できるのですが...
ヤマガラも含め、カラ類は実りの秋には様々な種子をあちこちに隠し、取っておいて厳しい冬に備える「貯食」という行動を取る事が知られています。
貯食された種子で忘れられたか間に合ったのか、春まで残ってしまった物がそこで発芽する事もあるようで、植物の中にはこれら、野鳥の行動に依存して繁殖している物もあります。
それぞれ夏の子育てがひと段落つくと、それぞれの種別ごとの保育園状態から、 いくつかの種が混じった混群、小学校状態へと発展します。ヤマガラもこの混群に入る事があるのですが、他のカラ類よりは少し行動がのんびりしているように見えます。
秋の一時、ヤマガラのシックな色合いを楽しむ事にしましょう。

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姿の特徴/赤茶色の腹と背中、グレーの羽根、黒い帽子とスカーフ、なんともシックないでたち。
声の特徴/カラ類共通の チッチッチッ、という地鳴きに加えて ニーニーニーニー というコガラと似る声を出す。 春から夏にはツーツーピーという、他のカラ類より少し間延びしたサエズリが聞かれる。
好む環境/広葉樹林
見られる時期/通年

写真&文:飛田伸一郎 

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