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温泉新聞

奥蓼科温泉「明治温泉旅館」 八岳木流泉

 四季折々に"大自然の彩り"という衣を着替える「蓼科」。その地にあって、最も色鮮やかな季節といえばやはり「秋」ではないだろうか。稲穂の黄金色に始まり、秋蕎麦の花に想う白色、山枯れの黄土色と、蓼科周辺で見る秋の色を上げれば枚挙に暇がない。そこで今回は、秋色の代表格「紅葉色」を愛でる温泉をご紹介。散策はもちろん、入浴しつつ紅葉を楽しむ秋の湯旅に出かけてみよう。
 秋旅の出発点は「横谷峡入口」。そこから色づく渓谷を通り、奥蓼科温泉郷に湧く一軒宿、「明治温泉旅館」を終着点とする。乙女滝や霧降の滝など、いくつかの滝巡りを楽しみながら、目線は前へ。散策道は比較的長いが、行く末に名湯は湧く。そう考えながら周囲の紅葉に与される和みを感じ、歩いていきたい。二時間余り歩き、おしどり隠しの滝が現れれば、目的地到着の合図。最後の踏み石は明治温泉旅館へ向かう階段だ。

 明治温泉の開湯は古く、戦国時代にさかのぼる。「明治」の名の由来は「明らかに治る湯」から。黒を基調とした館内には綺麗な音楽が流れ、大人の雰囲気。ロビーから下階に降りれば、湯音が響く浴場へは近い。

 明治温泉旅館は、鉄分と二酸化炭素が含有された冷鉱泉を独占使用する贅沢な宿。その源泉は、循環ろ過の内湯、循環非ろ過の半露天風呂、掛け流し源泉槽の三様に用いられている。源泉槽に流れる透明な冷鉱泉は約21℃。豊富な湯量もあって冷たく感じるが、散策後のクールダウンには最適だ。湯底には鉄粉が沈み、高い効能と源泉の濃さを垣間見ることができる。
 この宿におけるクライマックスは、半露天風呂に見い出せよう。赤褐色に濁った温泉が満ちる浴槽から首を伸ばせば、一望できるおしどり隠しの滝。囲むような赤黄の木々が、滝壷を鮮やかに染めていく。ゴウゴウという渓音を創出する透明な清水に、紅い落ち葉がユラリと浮かび、美しくも儚(はかな)く、その身を任せて流れ去る。

 壮観へのため息とともに、再び深く身を沈める赤褐色の湯殿。四角に切られた窓へふと目をやると、カエデの木が一本伸びている。一葉の絵画が如く光を放つ秋景色に、しばしの時を費やすのも良い。

 旅の終わりは、旅館を出て「湯みち街道」を下り歩く。ヒグラシの声、赤とんぼの姿、背丈ほどのススキも、艶やかな秋を満喫しながら涼風に揺れる。長い冬への準備となる蓼科の秋。短い旬は、間もなく本番を迎える。

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奥蓼科温泉「明治温泉旅館」
TEL:0266-67-2660
■立寄り入浴:午前11時~午後4時(要予約)
 料金:1,000円