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温泉新聞

八ヶ岳名湯「唐沢鉱泉」 八ヶ岳流泉

 車で東急リゾートタウン蓼科へ向かう手段として、多くの方々は「諏訪IC」を選択されるかもしれない。しかし私は、一歩ずらした「諏訪南IC」からの道を好んで用いている。それは、街中を通る前者に対し、後者の方が、より豊かな自然に触れられるからに他ならない。春の菜花をはじめ、夏のセロリ畑に、秋の稲穂、冬には八ヶ岳が雪化粧を施し来訪者に対面する。四季折々の光景を見るなら、迷わずこちらのルートだろう。一方で、このルートには一つの難点があった。比較的細く、交差点も多い道ゆえ、慣れない方には走りにくい。しかし、その難点は八ヶ岳エコーラインの整備で見事に克服された。八ヶ岳と並行するこの道はまさに快走路。そこで今回は、エコーラインを経由し、立ち寄ることのできる温泉をご紹介したい。エコーライン沿線には、いくつかの入浴施設が並ぶ。それぞれ魅力溢れる施設だが、今回は、それらとは異なる情緒や風情を併せ持つ一軒宿「唐沢鉱泉」を採り上げる。

 槻木大橋を越えると、まもなく「尖石考古館西」という信号が見えてくる。「唐沢鉱泉」へは、この信号を右折し、約12キロ行けば良い。ここからは、原生林の中に敷かれた一本の道を山へと走っていく。別荘地やゴルフ場を過ぎ、「唐沢鉱泉」の案内板が右手に現れれば、残りは約5キロ。但し、この看板から先は、未舗装の砂利道。悪路が続くが、その先に湧く名湯を思い浮かべ、進んで頂きたい。針葉樹で包まれた周囲では、夏になればヒグラシが声を震わせ、多くの野生動物も顔を覗かせる。そんな環境を体感するのも楽しい。

 「唐沢鉱泉」は、天狗岳などへの登山基地という役割を兼ねた一軒宿。館内には鹿の剥製やドライフラワーが飾られ、実に風趣をそそる。木張りの浴室に設えられた大きな窓からは陽光が差し込み、十分な開放感をもたらす。二つある浴槽には、どちらも源泉が注がれるため、湯花浮く本物の浴感を堪能できる。ここの泉質は二酸化炭素冷鉱泉。動脈硬化や高血圧に効くとされる珍しい泉質だ。何より、落ち着いた雰囲気が良い。静かな湯船から眺める外界には、手を伸ばせば届きそうな山の峰。これぞ高地に立つ一軒宿の妙味である。

 帰り道のエコーライン。青天に誘われ窓を開ければ、届く日差しは初夏の装い。蓼科の自然は、夏を迎える準備ができたようだ。そろそろ、緑を愛でつつ、名湯に身を預ける優雅な世界へ出掛けられてはいかがだろうか。極上の清爽な風を受けながら、高原のにおいを感じる夏の旅へ。
唐沢鉱泉3.jpg八ヶ岳名湯「唐沢鉱泉」
TEL:0266-76-2525
■立寄り入浴:11時~16時
    料金:700円
■4月中旬~1月中旬の営業