Diary 蓼科便り

茅野の災害伝承碑

こんにちは。タウンセンターの岩下です。今朝9時の気温は21℃、天候は晴れとなっております。

長野県は周囲を山で囲まれ、地形が急峻であることから、過去たびたび水害や土砂災害に見舞われてきました。そして、その教訓を後世に伝えるため、各地に石碑が建立されています。
6月は土砂災害防止月間です。今回は茅野市内にある自然災害伝承碑をご紹介しましょう。

【茅野市高部 下馬沢川】

茅野市宮川高部地区を流れる下馬沢川では、2021年9月の豪雨により大規模な土石流が発生しました。
下流の集落では、全壊9棟、床上床下浸水69棟、計78棟が被害に見舞われています。
しかし、声掛けによる自主避難や区役員・消防団等の避難誘導により、人的被害はありませんでした。
2025年5月に完成した高部砂防堰堤の前には災害伝承碑が設置され、当時の様子を伝えています。

【茅野市小町屋 水眼川(すいががわ)】

茅野市宮川小町屋は、諏訪大社上社前宮を中心とした地区です。
前宮の脇を流れる水眼・樋沢川水系では、江戸時代末期、その後の1982年(昭和57年)、1983年(昭和58年)と2年連続で土石流災害が発生しました。
集落の上流には、1989年(平成元年)に、砂防堰堤の完成に合わせて治水碑が建立されています。碑文の冒頭には、「災害は忘れたころに来る」と、刻まれています。

【茅野市米沢 茅野横河川】

茅野市米沢地区では、1983年(昭和58年)の台風10号により茅野横河川が氾濫し、その流域に甚大な被害をもたらしました。
長野県は約1.2㎞に及ぶ河川改修工事を実施し、1985年(昭和60年)、工事の完成と共に治水碑が建立されています。

【茅野市宮下 桧沢川(ひのきさわがわ)・前島川】

茅野市宮下・北大塩地区を流れる桧沢川・前島川でも、1983年(昭和58年)の台風10号による記録的な豪雨で河川の護岸が決壊氾濫し、大きな被害をもたらしました。
河川改修は総延長約2.5㎞に及び、1985年(昭和60年)に、工事の完成と共に治水碑が建立されています。
その後、2000年(平成12年)に、桧沢川砂防堰堤が設置されました。

【茅野市湯川 音無川】

茅野市湯川地区の大門街道沿いに流れる音無川も同様に、1983年(昭和58年)の台風10号による記録的な豪雨で河川の護岸が決壊し氾濫しました。
茅野横河川、桧沢川・前島川と同時期に延長約1.5㎞の河川改修が行なわれ、1985年(昭和60年)に治水碑が建立されています。

国土地理院の地図では、2019年(令和元年)6月から、「地理院地図」に自然災害伝承碑に関する情報(位置や伝承内容など)を掲載しています。ご自宅の近くの災害伝承碑を、ぜひ確認してみてください。

国土地理院ホームページhttps://www.gsi.go.jp/bousaichiri/denshouhi.htm
参考文献:八幡義雄(2022)先人が伝える災害の教訓「自然災害伝承碑」を地図で発信

諏訪地方で発生した土石流等の災害伝承碑

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