蓼科の今

転落の先に見えたもの

2024.07.03

皆様こんにちは。

さてさて、

ほんの数日前諏訪大社近くの小さな祠についてチラッとご紹介させて頂きましたが、

実はその同じ日、その先のとある別のお寺にもちょっと足を延ばしてまいりました。

本日はそちらをご紹介。

え?ネタを2つに分けて回数を稼いだですって?

誰ですか!?そんな的を射たことを!!

そこは空気を読んでいただいて、少しばかりおつきあいくださいませ。

実は諏訪大社のお隣

このようなお寺があるの語存じでしたか?

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法華寺

なんだか慎ましやかな規模のお寺に見えますが...

実はこちらのお寺は由緒正しい歴史の深い、面白い()お寺でございます。

見た目はその通り慎ましいお寺ですが、皆様ご存じ「神仏分離令」に伴う廃仏毀釈で

消失滅却した部分が多数ございます。

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ほらこの通り。

仁王門や五重塔もあった結構な規模のお寺。

神仏融合で諏訪大社と共にあったこちらのお寺は

歴史上でも結構大きな事件と浅からぬ関係がございます。

一つは戦国時代

織田信長による甲州征伐の帰り道、

信長はこの法華寺に逗留し武田家滅亡後の甲信地方の知行割を行っております。

その逗留時に明智光秀への度を越えた叱責事件がおこり、

2か月後の本能寺の変が発生する一つのきっかけになったとか何とか...

織田軍は高遠城を攻め落としたのち、

諏訪地域になだれ込み、諏訪大社を焼き討ちにしたと伝わります。

自身が焼き討ちにした歴史深い諏訪大社を横目に信地方の知行割や論功行賞を行う...。

やはり織田信長は当時の価値観からはかけ離れた感性をお持ちだったご様子。

(そんなところも好きなんですよねぇ)

もう一つは?

殿中でござる!殿中でござるぞ!!でおなじみ、赤穂事件。忠臣蔵ですな。

将軍のおひざ元江戸城内で、

しかもよりにもよって朝廷からの使者を接待しているという、そのさ中、

赤穂藩主浅野内匠頭長矩が吉良上野介義央に脇差を抜いて切りかかったというとんでもない事件。

あの事件に?このお寺が?

はい、深く関係しております。

実はあの事件。

松の廊下での刃傷沙汰から大石内蔵助ら47人の赤穂浪士の吉良邸討ち入りまでは

皆様よくご存じのことと思います。

その後?

赤穂浪士47人は幕府の沙汰により切腹させられたわけですが、

一方の吉良家はどうなったか?ご存知ですか?

浅野家は改易、内匠頭の弟大学は閉門し浅野家再興は不可となりました。

吉良家はその時「お咎めなし」となったはずですが?

吉良上野介の跡継ぎは吉良義周(きらよしちか)。

義周は米沢藩上杉家に養子に出された吉良上野介の息子の次男。

つまり上野介の孫にあたります。

その孫である義周を吉良家に戻し入れ跡継ぎとしておりました。

ちょっと複雑ですね。

5歳で米沢から江戸の吉良家へ。

そして18歳で赤穂浪士の討ち入り事件に巻き込まれます。

「お咎めなし」であった吉良家に対し、

赤穂浪士の討ち入りを受けて幕府が吉良家に改めて出した沙汰は、

当日の対応に対する仕方不届

(いわゆる管理不行き届きといったところでしょうか)による改易。

一転浅野家と同様の実質的なお取り潰し。

吉良義周は罪人用の籠に乗せられて、諏訪高島藩に預けられてしまいました。

義周は別に何も悪くないのですが...吉良家の「当主」として責任を取らされたわけですね。

浅野家、赤穂藩への仕置きもなかなかですが、

吉良家への手のひら返しともいえるこの仕打ち...、

当時の世論がいかに赤穂浪士贔屓だったかがうかがえます。

義周は元禄に起きた大事件に巻き込まれ、

そのまま信州諏訪で21歳という若さで病死しました。

武士としての切腹もできず、

運命のままにあらがえず亡くなってしまった義周には

同情の余地もあるように感じます。

もともと体の弱かった義周は罪人の扱いながら

それでも諏訪高島藩では丁重に扱ってもらえた様子が残っています。

当時の世論に流されず、義周を人として扱ってくれた諏訪の人々...。

なんかせめてもの救いかなぁ...。

運命のままに転落した人生の中で、

好きだったを絵や書を書き綴る日々を送った義周

歴史の陰で運命に翻弄され、その波間で命を散らした一人の若者。

そのお墓が、じつはこの法華寺の裏手にひっそりと建っています。

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いつもこちらに訪れるたびに、

何やらギュッと心臓を締めつけられるこの感覚

寂しくて切なくやるせない思いと共に、

今回もそっと手を合わせてまいった次第です。

今回のブログは歴史も大好きな兵藤が

ちょっとセンチメンタルにお送り致しました。

(たまにはこんなのもいいでしょ?)

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